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「岐阜の自然考」をめぐる旅

見て知ることが第一歩。あふれだす身近な自然への愛情を18名の執筆者が語るエッセイ『岐阜の自然考』。その舞台をめぐる旅に出ます。

ヒメボタル舞う・岐阜市の竹林

昆虫類 貝類 植物 文化

ヒメボタルってご存じですか。本州・四国・九州・屋久島と広く分布している小型のホタルなんですが、ゲンジやヘイケに比べるとたぶん知名度低いですよね。有名どころでは、名古屋城の外堀に生息してます。
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えーホタルっていったら清流でしょ~?大都会の名古屋城の外堀にカワニナ(幼虫のエサ)なんかいるの~?ってちょっと思うじゃん?なんとヒメボタルは陸生、つまり一生を陸で過ごすホタルなんですね。そんなホタル居るんだねー!知らんかったわー\(^o^)/

 
陸生のホタルってだけでもなかなかインパクトあるのにこのヒメボタル、光り方がまたアバンギャルドらしい。長良川の河川敷の竹林でも見られると数年前に聞いて「見たいなー」と思っていました。自然考によると岐阜市竹林広場公園というところで「5月下旬~6月上旬ごろに」見られるとのこと。

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というわけでじゃん。やってきました長良川右岸。公園の側の道路には、ヒメボタル見物客の車がいっぱい。県外ナンバーも多いです。

初めて見るヒメボタル、ホントに凄かったです!「フラッシュ光」と呼ばれる素速い点滅があたり一面に散りばめられてて、とにかくもう、今までに見たことのないような光景にただただ絶句。
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暗闇の中、撮影している愛好家の方がたくさんいらっしゃしました。オワコマもコンデジだけど挑戦してみたよ。いろいろ設定を変えてみたんだけど、ISO1600で絞り開放(f1.8)、露光時間20秒でなんとか写ってました。点列が、一匹のホタルがチカチカ光りながら飛んだ光跡です。ゲンジやヘイケだとこんな風にならないよね。ちなみに時間は深夜12:30。宵型と呼ばれるタイプもいるようですが、中部や関東のヒメボタルの多くは深夜が発光のピークなのです。知名度の低さはそのせいかも。

さてこのヒメボタルの棲む竹林・岐阜市竹林広場公園が今回のテーマ。「『風と土の会』や『竹文化振興協会』などの団体により、長良川河畔の竹林が整備され、岐阜市竹林広場公園として市民に開放されている」(自然考より)そうです。「風と土の会」さんのHPに定例活動日が載ってました。ちょっとお話を伺ってみましょう。ちなみに上記HPは音が出るタイプのやつです、あ、言うの遅かった?
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昼間の竹林広場公園。綺麗に間伐されて風通しの良い、明るい林内はとっても爽やか!関西圏にお住まいの方ならあの歌を口ずさんでしまうかも。

会の方、いらっしゃいました。こんにちはー。こちらは間伐した竹を燃やしているところです。時折バーン!と竹の爆ぜる威勢の良い音がします。本来は河原でのたき火は原則禁止で、煙を見て驚いて通報される方もいるため、対岸の消防署に活動日は連絡してあるそうですよ。
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消防署(鵜飼分署)、ちょうど写ってますね。オレンジ色の小さい方の建物です。真横にお城みたいな建物がありますね、自然考の取材と平行して近ごろ岐阜市近郊のお城巡りに余念が無いオワコマですが、未訪ですね、気になります。これはぜひ調査せねば・・・!

会の方の活動の邪魔にならないように・・・と思っていたのですが、おひとかた、竹と竹文化、あと陸貝やヒメボタルについてもんっの凄くお詳しい親切な方がいらっしゃって、余りのお話上手さに、ついつい色々聞いてしまうことになっちゃいました。ありがとうございます!
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まずは竹の種類から。「竹林っていったらモウソウチクでしょ」くらいの浅い考えしかなかったオワコマですが、自然考によるとひとくちに竹と言っても「日本に120種類」、「岐阜市内では(・・・)14種が記録されている」そうです。えーマジでぇぇー!竹ってそんなにいっぱい種類あるのー!?竹林公園にあるのはモウソウチクマダケ・ハチクの3種。ハチクを知らないオワコマのために、親切な方、わざわざ生えているところまで案内してくださいました。

モウソウチクマダケとハチクの見分け方。節が二重になっているのがマダケとハチク。下の節には葉っぱが剥がれた痕跡がありますよね、これで切った竹でも上下がわかるそうです。茶道の花入れなんかは上下を逆にしたらダメだったり、逆に趣があるといって逆竹にする流派もあるそうです。面白~い!
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マダケとハチクはよく似ているのですが、こんな感じで白く粉を吹いたようになっているのがハチクだそうです。


あとタケノコの皮を見ると一目瞭然で、こんな風に斑点が入っているのがマダケ
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おにぎりの包み、あれはマダケなんですね~!親切な方:「あと『バレン』ね^^」あーそうそうバレン!版画に使うやつ!!なっつかしぃ~と大盛り上がり。竹製品って指摘されないと気づかないくらい、ホント身近ですよね!

地上に出たハチクのタケノコ、ポキンと折って「あげる」とオワコマに。え、ハチクのタケノコってこれなの!?掘らなくてもいいんだ!?
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わーなんか岡本太郎チックな芽が出てる~。剥いて茹でた状態のは頂いたことありますが、こんなの初めて見ました。モウソウ・マダケ・ハチクの中ではハチクが一番美味しいそうです。

さて竹林を巡る中で「僕は見えないんだけど、このゴマみたいなのよく見てみて」と親切な方に言われて見てみると、
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うわっ、渦巻きが見える!カタツムリです!ちっちゃーい!!

そうです、カワニナのかわりにこういった微小な陸貝が、ヒメボタルの幼虫たちのエサとなるのです。写真はヒメボタルの幼虫。
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陸貝以外の土壌生物も食べるようですが、詳細はまだよくわかっていないようです。

こちらはマダケのタケノコに。ちょっと大きめ。といっても1cmくらいかな。透け感あって、キレイなカタツムリですね~。
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微小な陸貝、他にもたくさん見られました。アオキやヤツデなどの裏によくいるそうですよ。

活動拠点の小屋に戻りました。なんだか見慣れない鉄製の道具があります。
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すみませーん、これなんですか?

「これはね~こうやって使うんですよ」
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会の方が実演して下さいました。ありがとうございます!まずは竹の下に置いて、上から槌でゴツンゴツン。

食い込んだところでひっくり返し、今度は上からガンガン。
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なるほど~竹を割る道具だったんですね!「ホームセンターで売ってるよ~」とのこと。うそーん初めて見ました!めっちゃ興奮!!

こうやって割った竹を、こちらでは竹炭に使われているそうです。
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あ、これモウソウチクですね、ほんとだ~節が一重!

竹炭用の窯です。ドラム缶でできてますね。
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こちらは簡易的な窯で、奥に本格的なのもありました。

他にも竹には色んな用途がありますよ~。こちらは竹馬。
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昔乗れたからって言って、子らの前で「見とけよ」とドヤ顔で乗って見せてやろうと思ったら全然乗れなくなってて愕然・・・って「昭和2ケタの親あるある」だよね。

竹箒。こちらも会の方の自作だそうです。
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すごい!「箒は買うもの」と思ってたからビックリです。そうか~作れるんだね~~

そして垣根にも。手前(右)、柴垣っていうのかな?カッコいいですね。f:id:aquatottotoday:20160627114201j:plain他に竹の超ロングロング・ベンチとかあって、DIYゴコロに火が付きます。竹の万能感スゴいぜ!

そしてひときわ目を引くのはコレ!f:id:aquatottotoday:20160627114202j:plain
オール竹製「樹上展望台」

勘の良い方なら恐らくこの後の展開をお察しでしょう、f:id:aquatottotoday:20160627114203j:plain
「どうぞ~上がってもいいよ~^^」と言われました。

せっかくのご好意です、上がってみようじゃないですか!たかだか地上3メートル程度・・・f:id:aquatottotoday:20160627114204j:plain・・・いややっぱ結構高いです、Koeeeeeeeeeeeeeーーー!(極度の高所恐怖症)

でもとってもしっかり結束してあるのが一目瞭然で、苦手なハシゴ降りも、一度上がればそんなに怖くなかったです\(^o^)/ 鏡岩の方がよっぽど怖かったわい、転落しても誰にも気づかれない状況だったしね。。
f:id:aquatottotoday:20160627114206j:plainこれ絶対子どもは好きだよねぇ、樹上のヒミツ基地!

風の土の会さんでは毎年「竹の子まつり」というイベントを開催しておられるそうです。
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竹の子ご飯や竹の茶碗で野点の抹茶がふるまわれるそう。他にも竹細工づくりや竹馬体験などもでき、毎年盛会の模様。放置されていた竹林に手を入れることにより、市民が集まり、樹脂製品の氾濫によって失われつつある竹文化に触れられるなんてステキじゃないですか♪

さてすっかりお邪魔をしてしまいました。帰ろうと思ってご挨拶すると、「あれっハチクだけでいいの~?マダケもあるから持って帰って食べ比べてみたらー?」とのお言葉\(^o^)/f:id:aquatottotoday:20160627114207j:plain
も~ホントにありがとうございます><ちゃんと取材申込してない通りすがりの怪しいヒトなのに。親切な方いわく、道の駅で売られてる生のマダケやハチクは、上の写真のように切り口が白いやつが採りたてでオススメ、緑になってるやつは古いんだそうです。勉強になります。

というわけでいただきましょう!右の1本がマダケ、左の4本がハチクです。茹でて剥いた状態です。f:id:aquatottotoday:20160627114208j:plain
ハチクの太い方、なかなか緑色ですが節のところ以外は食べれます。かなり竹っぽいけどそれも野趣あふれててGood!

柔らかい部分はお味噌汁に。
f:id:aquatottotoday:20160627114209j:plain確かにハチクの方が味濃くて独特の風味があり、ウマイです。ごちそうさまでした(-人-)

管理されずに藪となってしまった放置竹林はさまざまな問題を引き起こしているそうですが、適正に管理された竹林の美しさに感動し、竹の万能感にあらためて驚いた1日でした♪f:id:aquatottotoday:20160627165741j:plain
風と土の会の方にはここで紹介した以外にもたっくさんの興味深いお話をお聞きしました、ホントに楽しかったです。オワコマも誰かにこの世界の素晴らしさを語れる、そんな人になりたいなーと強く思った1日でした\(^o^)/

 

岐阜市の竹林 藪を整備、公園に"再生"
「岐阜の自然考 ふるさと ぎふの多様ないきものたち」P.157

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難易度:★★☆☆☆

f:id:aquatottotoday:20160129153105p:plainコメント:
岐阜市竹林広場公園は鵜飼大橋北詰すぐの上流、長良川右岸の河川敷にあります。ヒメボタルの出現時期は、年によって多少の変動はありますが、だいたい5月の下旬ごろの模様。岐阜市近郊では一番早いそうです。発光時間は深夜12時~2時頃。見物の折は懐中電灯の使用は避け、ロープの中には入らないようにしましょう。新月や曇など、月の出ていない夜がオススメ。蚊対策に長袖・長ズボン着用推奨。ボランティア団体「風と土の会」による「竹の子まつり」は例年6月の第一日曜日に行われているようです。詳しくは会のHPにて。