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「岐阜の自然考」をめぐる旅

見て知ることが第一歩。あふれだす身近な自然への愛情を18名の執筆者が語るエッセイ『岐阜の自然考』。その舞台をめぐる旅に出ます。

食べておいしい外来種(2)・ブラックバス

いまや外来魚の代名詞ともいえる「ブラックバス」。食べると意外と美味しいという話、聞いたことある方も多いのでは。デイリーポータルZで活躍中の生物ライター平坂寛さんの著書「外来魚のレシピ」でも、ブラックバスが巻頭を飾ってます。f:id:aquatottotoday:20160428090927j:plain
「とりあえず基本」ってことでしょうかね~。そして平坂さんの試食の評価も大変高いではないですか。

 

というかオワコマも以前、琵琶湖博物館のレストランで食べたことあります。
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天ぷらで供されていますが、淡白でクセもなく、美味しく頂けました。「自然考」によるとこのブラックバス、「皮膚の粘液が臭い」んだそうですが「熱湯で表面の粘液を固めて十分に洗い流した上で調理すれば」美味とのこと。では今回はヌートリアに続いてこのブラックバスことオオクチバスを食べてみましょう。

・・・とは言ったものの、オオクチバスなんてどこで手に入れたらいいんでしょうか。オワコマは釣りできません。バス釣りする友人もいません。釣具屋のHPで初心者のためのバス釣り教室とか検索してみたけどなんだか敷居高い。。行き詰まった揚げ句、ヤフオクで投網を物色し始めるも、去年おんぱくで投網が全く広がらないというほろ苦い思い出が蘇ります。ああ、うう、どうしよう。

ひとりだけ、相談できる人を思い出しました。じゃん。世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふ「トト・ラボ」。f:id:aquatottotoday:20160428090929j:plain
聞きたい・知りたい・学びたい、学びの部屋「トトラボ」では土日祝の12:00ごろから職員さんが常駐される質問コーナーが開設されます。恐らくアクア・トトで国崎さんの次に有名な職員・Kさんに相談してみました。Kさんご自身も釣りをされる方です。今はバス釣りはされないそうですが、もしバスが釣れることがあったら譲って頂く約束を取り付けることにまんまと成功。「近いうちに行きますけど・・・」ということだったので、別件の取材も兼ねて見学させて頂きました。

バスはこういうルアーで釣るのが一般的なんだそうです。これは「赤金(あかきん)」と言って水が濁ってるときに使うんだそうです。
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他にもいろんな色・形のルアーがいっぱいありました。そういうのを集めて使い分けるのが醍醐味なのかな。めっちゃ奥深そうです、釣り。さすが趣味の王様・・・と思いつつ念のため検索したら、アマチュア無線とか鉄道とか切手とかが各々王様の名乗りを上げて割と群雄割拠の状態だった、という。

残念ながらこの日はバス釣れませんでした。
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五三川とか大江川とか有名バス釣りスポットに行って「釣ったやつください」って頼んでみるとか考えましたが、なんかな~「バスを食うなんてもっての他!(クワッ!)」とか怒られそう。ではKさんから伝授された次の手を使いましょう。名付けて「駆除してる人からもらおう作戦」。

そうだ、それだ!全然思いつきませんでした!!さすがKさん!!!そういえば以前関市の中池で「池干し」を見学したことがありました。この中池では、地域のみなさんの長年の努力の結果、2009年に1338匹捕獲されたオオクチバスを、2014年遂に根絶することに成功しています。
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2013年に捕獲された最後の1匹。持ってる人、なんかめっちゃ嬉しそうですね。けど池干しってキホン農閑期でしょ。ずいぶん先だなー。

てことで来ました。じゃん。琵琶湖です。外来魚駆除大会 in 琵琶湖
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予め、主催者である琵琶湖を戻す会事務局の高田さんに、捕獲されたバスをわけてくださるようお願いしてきたのです。突然の依頼にもかかわらず快諾してくださいました。ありがとうございます!

湖畔には外来魚回収BOXがありました。滋賀県が設置したもので、湖岸沿いに約100ヵ所あるようです。
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琵琶湖ではブルーギルブラックバスは条例により「リリース禁止」です。釣ったら回収BOX(または胃袋)に。

駆除大会ではルアーではなく、エサを使います。エサはミミズ。仕掛けも貸していただけます。
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エサはおかわり自由です。

小さなお子さん連れのファミリーや学生さんのグループなど若い人もたくさん参加されて、とても楽しそうな雰囲気。
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「次わたしー!」「次ボクー!」と子どもたちも夢中で釣ってます。竿を入れると数分で、ブルーギルがかかります。子どもたちに教えていらっしゃる黒い服の男性、釣りや魚にすごく詳しくて、お聞きしたら地元の漁師さんでした。このあと釣った魚を漁協に持って帰って、子どもたちみんなと試食パーティーをすると言っておられました。楽しそう!

こちらで釣れるのはほとんどブルーギルのようでした。バスもたまに釣れますが、この辺りはだいたいこれくらいのサイズなんだそうです。
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釣ったのは立命館大学の学生さん。環境系サークルの、今日は新入生歓迎イベントだそう。「ぼく以外全員釣りやったことないんですよね~(≧∇≦)」と言ってましたが、みなさん次々と獲物をあげてましたよ。

小振りですが5~6匹のバスを釣っていただいてホクホクしてるところに、
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ウワー!すごい大物が上がりました!!

キャー!ヤダこんなに大きくなるの~?わたしこんな大きいの初めて~!どうやって持てばいいの?こう?こうなの?・・・と興奮状態で混乱した脳内でキャッキャウフフしてたら、
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こうやってここ(下アゴのとこ)持てばいいんだよ~」とベテランの人に教えて頂きました。うわー重い!重いです!!自宅で計測したら40cm超えてました。美味しい在来魚をたらふく食べてこうなったと思うと悲しいですが、顔には自然と、上の池干しの人みたいな笑みが浮かんでしまいます。バスめ、成敗してくれようぞ。グフフ。

小一時間くらいで、家族で食べるには十分な量のバスが集まりました。話のタネに、ギルの特に大きかったやつも1匹。
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高田さんにオススメの食べ方をお聞きしました。バスはとにかく味がないので濃いめの味付けで、とのこと。ギルはバスに比べると身の旨みが濃くて美味だそうな。「ギルの一夜干しがね~美味しいんですよ!」と高田さん。

帰宅後早速調理に取りかかります。下ごしらえは研究調査用特殊機器HOGAさんの「外来魚を食べよう!」のホームページが大変わかりやすく参考になりました。
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まずは怪我をしないよう、ヒレの尖ったところを剪定ばさみでパチン。尻ビレの一番手前のトゲが凶悪。ちゃんと落としたつもりでしたが怪我しました。人差し指の爪と肉の間グッサー!です。鬼平犯科帳の拷問かっ鬼平はそこに熱した蝋を垂らしてました)

バスの表面に、熱湯をまんべんなくかけます。ゆだっちゃうかも?と思うくらいやっても大丈夫です。
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裏表両方しっかりと。

すると指で簡単にウロコが取れます。
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逆撫ですると飛び散ってしまうので、真ん中に寄せるような感じで。結構きもちいいです。

ブルーギルも同じやりかたでウロコを落とします。
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ブルーギルの顔。熱帯魚みたい!ブルーのゆえんはこのアゴじゃなくて、エラブタの紺色なんだそーです。平坂さんの記事より。

バスは全部3枚におろして、一番大きいやつは皮も引いて鍋用に(手前)、小さいバスとギルの半身は塩焼きに(真ん中左)、残りはフライに(真ん中右)、アラはアラ炊きで頂きましょう。
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ここに入ってない中くらいサイズの2匹は、ウロコの処理をして義実家にプレゼント。

ちょっ、醤油とわさび~!言いたくなりますねw
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川魚なので刺身は避けた方が良いようです。

実食。まずは基本のキ、塩焼き。
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左がバスで、右がギル。うん、美味しい!全然臭くないです!いけるいける!!いけるけど・・・やっぱりバスはちょっと淡白すぎて物足りないですね。ギルは皮香ばしくてホント美味しいです。タイとかの高級魚みたい。もっともらってくればよかった(笑)

となるとフライがマズい訳はない!
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うん、合う合う!フライうまい!子どもたちも大喜びで食べてくれました。ちなみにオワコマ家、魚フライは圧倒的にウスターソース派です。

アラ炊きも非常に美味でした。
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生姜使ってませんけど全く問題ないです。バス、合うわ~。煮付け合うわ~~

そして「自然考」オススメのキムチ鍋です。
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豆腐とねぎ、きのこ、ニラ、エバラの「プチッと鍋」で。

絶品です!いやほんと味に主張のない魚なのでキムチ鍋、非常に合います!舌触りも繊細。これ黙ってたら絶対バスとは気づかれませんよ!?
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オワコマ家はなに鍋でもシメはかならずラーメンです。f:id:aquatottotoday:20160428090952j:plain
そしてシメは2段階、翌朝残り汁で雑炊です。一滴残らず、ごちそうさまー\(^o^)/

個人的には、釣りはおかずを獲るためにやるものなんだろうという固定観念があったので、「ゲームフィッシング」という概念を知った時には非常にビックリしました。基本的に釣りに向いてない人間なのかも。
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外来魚駆除大会、この日は過去最高の96.1kgの漁獲があったそうです(戻す会HPより)。駆除された外来魚たちは肥料として活用されるそうですが、食べてみるのもアリだと思います。家族や友だちと食卓を囲んで、外来魚がどうしてこんなに嫌われ者になったのか、食べ物はどこからくるのか、語り合ってみるのもいいかも知れませんね♪
 

おいしいブラックバス
「岐阜の自然考 ふるさと ぎふの多様ないきものたち」P.28

難易度:★★★☆☆

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岐阜市の自然環境基礎調査の報告書によるとオオクチバスブラックバス)は「市内のため池に分布し、長良川のわんど、支流河川の排水機場周辺にも多い」そうです。
食べてみたい方は滋賀県草津市にある琵琶湖博物館ミュージアムレストラン「にほのうみ」がオススメ。バス天丼880円、湖の幸の天ぷらうどん(バスと琵琶鱒の天ぷら)920円などあります。
外来魚駆除大会については、琵琶湖を戻す会さんのHPでご確認ください。毎年5月の最終日曜日は「琵琶湖外来魚駆除の日」として大きなイベントがあるようです。
なおオオクチバスは法律により特定外来生物に指定されており、生体の持ち運びが禁止されています。釣った魚をお持ち帰りの際はご注意ください。