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「岐阜の自然考」をめぐる旅

見て知ることが第一歩。あふれだす身近な自然への愛情を18名の執筆者が語るエッセイ『岐阜の自然考』。その舞台をめぐる旅に出ます。

聖夜にわたしを見つけて・ヤドリギとレンジャク

20代の頃から使っている、日本野鳥の会発行の野鳥観察ハンディ図鑑「山野の鳥」。三訂版です。古いですね。歳がバレますね。いい加減、改訂版買わないと。
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三訂版の表紙を飾っている美しい鳥はヒレンジャクと言います。こんなキレイな鳥が日本で見れるのか~いつか見たいな~と思っていたら、自然考に「数年前、長良公園に200羽ほどのヒレンジャクが飛来」という記事(掲載は2013年)があるではないですか。なんと、長良公園に!?「2月下旬から3月にかけてヤドリギの熟した実に数十羽のレンジャクが群れる様子は壮観」ですと!2月下旬から3月!年度末進行でのたうち回っているうちに時ははや3月中旬、急がねば。

 

てことで来ました、じゃん。長良公園です。
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めっちゃ久し振り。子らが未就園児だった頃、この巨大遊具でよく遊ばせたものです。とりあえずヤドリギを探してみましょう。ヤドリギって、落葉した木の枝にこんもり茂ってるボール状のやつですよね。まだ落葉樹が芽吹いていないこの時期なら見つけやすいはず。楽勝楽勝。

・・・と思って園内くまなく探したのですが、見つかりませんでした。こちらはクスノキに着生してるノキシノブ。
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こちらはヤドリギとは違い宿主から養分を吸い取ったりしているわけではないので、寄生ではなく「着生植物」と呼ばれるようです。全然関係無いけどこの写真、天地を入れ替えるとなんかヒワイな感じになりますね。

おっと自然を愛するピュアな心の自然考読者の方がドン引きしていますね。大体、自然考のレンジャクの項をよく読むと、長良公園ヤドリギがあるとは一言も書いてありません。落ち着いて落ち着いて。
f:id:aquatottotoday:20160321113818j:plainとりあえず長良公園以外でヤドリギを探しましょうか。ヤドリギね~~~。何度も見たことあると思うんだけど、いざ「何処?」って言われるとどこなんだろう・・・と車を走らせていると。

!!!
f:id:aquatottotoday:20160321063508j:plainあったー!すごい、目に飛び込んで来ました!近寄ってみましょう!

ご覧下さい、やりました!
f:id:aquatottotoday:20160321063509j:plain完全に「鳥の巣」です!!!!\(^o^)/ 紛らわしい。。

この後も何度か鳥の巣トラップに引っかかりました。ちょっと木がいっぱいありそうなところへ行ってみよう。
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「いわど」って読むのか・・・知らんかった。道理でナビの50音検索に引っかからないのね。

そう、ナビがないと岩戸公園に行けない・・・岐阜市に対するわたしの土地勘はその程度です。
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大きな木はたくさんありますが、ヤドリギはありません。この他、別件で訪れた大洞の遊歩道でも探しましたが全く見当たりませんでした。

大きな木といえば神社よね、ということで岐阜市伊奈波神社へ。f:id:aquatottotoday:20160321063511j:plain
初めて来ました

スギやイチョウの巨木はありますが、
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うーん。ヤドリギはありません。

とりあえずおみくじでも引いてみましょう。f:id:aquatottotoday:20160321063513j:plain
ほぉ~!恋愛は次の段階に進・・・じゃなかった間違えた。「願望」と「失物」の2行を続けて読んでみましょう。「行動力をもって探せば簡単に出る」。

そうかーやっぱり行動あるのみなのね、と納得して帰る道すがら。
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!!!

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見えた!見つけた!
f:id:aquatottotoday:20160321120719j:plain今度は絶対間違いない!

ヤドリギ発見しました!f:id:aquatottotoday:20160321063515j:plainなんということでしょう、自宅のごくごく近所でした。それにしてもわたし目は良い方ではないのですが、運転しながらよく見つけたなぁ。。なんか執念ですね。

そうそうこれこれ、これがヤドリギです。f:id:aquatottotoday:20160321063516j:plain

葉を落とした木々の中に青々と茂る様子はやはりとても目立ちます。いや~~嬉しいな~~~

と、ふと目を転じると。
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_人人人人人人人_
> ! ! ! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

ウワー!なにこれヤドリギの聖地!?
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ヤドリギだらけです!

大人のひと抱え分くらいの大きさです。凄いなー!
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寄生部分を観察してみましょう。うわっ、完全に宿主と一体化しています!
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ヤドリギはこうして宿主から水分や養分を吸い取りながら自らも光合成をするので、「半寄生植物」と呼ばれているそうです。

これが、レンジャクの好きな宿り木の実。黄色くて可愛らしいです。こんな実をつけるとは知りませんでした。
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どんな味がするのかな?

なってるやつには手が届かなかったので、落ちてるやつのキレイっぽいのを食べてみました。
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うーん。特に味はないです。種のまわりのプルプルぬめぬめした部分がもんのすごく舌にくっついてなかなか取れません。新感覚だこれ。

実を割ってみました。緑っぽいやつが種です。種を包む粘着物質、ものすごい糸引きます。手で触りたくない感じです。食べたけど。
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この粘着物質は消化されず、実を食べたレンジャクのおしりから排泄されて種と一緒にぶら下がっているのが観察されるそうな。このようにしてレンジャクに実を食べさせる代わりに、ヤドリギは分布域を拡げてもらっているのですね。レンジャクとヤドリギの「切っても切れない関係(自然考より)」、面白い!

ちなみにこの場所でヤドリギが寄生している木は、落ち葉と樹皮からの類推ですが全部エノキのようでした。レンジャクがやってくる時期とヤドリギの実のなる時期、ちょうど落葉樹が葉を落とす時期で一致しているのも2者の共生に関係してそうです。
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通りすがりのマダムのお話によると、この場所で少し前に伐採されたサクラの大木にも見られたそうです。マダムは「トマリギ」と呼んでいました。自然考によると「ホヤ」と呼ぶ地域もあるそうな。ちなみに、マダムは残念ながらヒレンジャクはご存じないようでした。

とりあえずヤドリギ見れてよかったー!・・・に続くお約束の展開ですが、やっぱり岐阜市で探さないとね・・・」
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ちょっとズルしてGoogle先生に手伝ってもらいましょう。行動あるのみと言われたのに、伊奈波神社の神さまごめんなさい。ある方のブログによるとそれは岐阜市の高田津島神社のそばにあるらしい。地図検索してみると、おおっ、ギリギリ岐阜市だ。ていうかストリートビューに思いっきり写ってるやん(´Д`;) なんというか、便利な世の中になりました。

早速現地へ。
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おぉぉぉぉ~やっぱりヤドリギ探しは秋冬に限ります。遠くからでもメッチャ目立ってる。

ていうかこれはかなりの大物です!
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画面右下の談笑するマダムたちと比較すると、大きさがよくわかります。寄生された枝がなんとなく撓(たわ)んでいます。こんな感じであまりに育ちすぎたヤドリギは宿主を衰弱させてしまう恐れがあるので、管理されている樹木では伐採・駆除されることもあるようです。そんなわけでひょっとすると長良公園にも、ホントはヤドリギあったのかもですね。

ちなみに西洋ではクリスマスの夜に男子は好きな女子にキスすることが許されるという言い伝えがあるそうな。別に今どきヤドリギの下じゃなくてもクリスマスじゃなくても、という気はしますが。ロマンですロマン。「Mistletoe Kiss」で検索すると「え、その状態でもOKなん!?」という画像が引っかかって更にモヤモヤするんですが。

他にも岐阜市で「ヤドリギ見たよー」という情報がありましたらまらお教えください。

最後に。
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ヤドリギの種、持ち帰って庭のシマトネリコにくっつけてみました。発芽するかな?しばらく観察してみます♪

 

レンジャク ヤドリギと密接な関係
「岐阜の自然考 ふるさと ぎふの多様ないきものたち」P.77

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難易度:★☆☆☆

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ヤドリギは落葉樹が葉を落とす秋~冬の間に探すのが良いでしょう。愛知県一宮市の蘇南公園の大きなエノキにたくさん見られますが、生育しすぎると伐採される可能性もあるのでご注意。ヒレンジャクが冬鳥として日本に飛来するのは年末から3月ごろだそうですが、年によって飛来数にばらつきがあり、一度見られた場所で毎年見られるとも限らないようです。